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Google Play · 個人開発 · 屋号 · 2026-09

一度きり約3,700円で、
自分のアプリが世界に並ぶ。

スタジオトリウミは、記憶トレーニングの「なまえがお」やTOEFL単語アプリなどをGoogle Playで公開している個人の開発スタジオです。この記事は、その過程で実際に通った道を順番に書いたものです。

先に感想を言うと、Googleは個人開発者にかなり優しい。登録料は一度払えば終わりで、開発ツールは無料で、審査は数日で返ってきます。ただし、途中に2つの関門があります。「テスター12人」と「収益化すると住所が公開される」です。この2つをどう越えたかが本題です。

最終更新 2026-09-25 / 筆者が自分のアカウントで経験した手順と、Google公式ヘルプの確認値 / 条件は変わることがあるため、申し込む前に公式ヘルプを確認してください

結論(先に要約)

1. Google Playの登録料は一度きりの25米ドル(2026年9月の為替で約3,700円)。年会費はありません。

2. 2023年11月以降に作った個人アカウントは、本番公開の前に12人以上のテスターが14日間続けて参加するクローズドテストが必要です。

3. 有料アプリや課金で収益化すると、デベロッパーの氏名と住所がストアに表示されます。個人アカウントなら自宅の住所です。

4. 個人事業主として開業し、屋号とバーチャルオフィスの住所でD-U-N-S番号を取り、組織アカウントにすると、ストアに出るのは屋号と事務所の住所になり、12人テストの要件もかかりません。筆者の費用は開業届0円、バーチャルオフィス月500円前後、D-U-N-S無料でした。

01Googleが個人開発者に開いている扉

アプリのストアを比べると、Googleの敷居の低さがはっきり分かります。Appleの開発者プログラムは毎年99米ドルかかり、払い続けないとアプリがストアから消えます。Google Playは25米ドルを一度払えば、その後は何年でも無料です。学生でも、会社員の副業でも、この金額なら試せます。

道具もそろっています。開発環境のAndroid Studioは無料で、FlutterやKotlinのドキュメントも無料で読めます。手元のAndroid実機(筆者はPixelで確かめました)をUSBでつなげば、その場で自分のアプリが動きます。広告で稼ぎたければAdMob、課金ならGoogle Playの請求システムが用意されていて、決済の仕組みを自分で作る必要はありません。

審査も速い部類です。筆者の場合、アップデートの審査はだいたい1〜3日で返ってきました。却下されても理由が書かれているので、直して出し直せます。「作った人が、そのまま世界中の端末に届けられる」という点で、Google Playは個人開発者にとって最も開かれた場所だと思います。

02最初の関門:テスター12人・14日間

その扉に、2023年11月から1つ条件が加わりました。新しく作った個人アカウントは、本番公開の申請の前にクローズドテストを通す必要があります。当初は20人でしたが、2024年12月に12人へ緩和されました。

個人アカウントの公開条件(2026年9月確認)

狙いは分かります。一度も人の手に渡っていないアプリがいきなり公開されると、落ちる・動かない・中身が空のアプリがストアにあふれます。Googleは「最低限、身近な人に2週間使ってもらってから出してください」と言っているわけです。ストアの質を守る仕組みとしては筋が通っています。

ただ、個人にとっては現実に重い条件です。Googleアカウントを持つAndroidユーザーを12人集め、14日間抜けないように頼むのは、友人の少ない開発者には大変です。テスター募集のコミュニティや相互テストの掲示板もありますが、アプリを出すたびに同じことをする必要があります。

ここで大事なのは、この条件は個人アカウントだけにかかるという点です。組織アカウントには、このテスト要件がありません。後で書く「屋号で組織アカウントにする」道が、この関門の抜け道にもなります。

032つ目の関門:収益化すると氏名と住所が出る

アプリが公開できたら、次は収益化です。有料アプリにする、アプリ内課金を入れる、といった形でGoogleから売上を受け取る設定をすると、ストアのアプリページにデベロッパーの氏名と住所が表示されます。EUのデジタルサービス法など、消費者保護の法律に合わせた仕組みです。

買う側から見れば正しい仕組みです。お金を払う相手が誰で、どこにいるのかは知る権利があります。けれど個人アカウントでは、表示される住所は自宅です。家族と住んでいる人、身バレを避けたい人にとっては大きな問題になります。

筆者が実際にハマったこと

筆者は個人アカウントのまま収益化を有効にしてしまい、あとから住所の表示に気づきました。Googleのサポートに問い合わせたところ、一度有効にした収益化は取り消せないという回答でした。住所を隠す方法は、アカウントを組織アカウントに切り替えることだけです。これから始める人は、収益化の前にこの記事の04を先に読んでください。

04解き方:屋号+バーチャルオフィスで組織アカウントへ

組織アカウントは会社でなくても作れます。個人事業主でも、屋号とD-U-N-S番号があれば申請できます。ストアに表示されるのは屋号と、登録した事業所の住所です。その住所をバーチャルオフィスにすれば、自宅は出ません。筆者が進めた順番は次のとおりです。順番を間違えると審査で止まるという報告が多いので、この順に進めるのをおすすめします。

  1. バーチャルオフィスを契約する。筆者は京都の「京都朱雀スタジオ」を選びました。月額500円前後で、郵便物の転送もあります。安さの理由は、住所と郵便の受け取りに機能を絞っているからです。
  2. 開業届を出して、屋号を決める。筆者はfreee開業でe-Taxから提出しました。費用は0円で、青色申告の承認申請も同時に出せます。屋号欄に書いた名前(筆者はスタジオトリウミ、英語表記はSTUDIO TORIUMI)を、以後すべての書類でそろえます。
  3. D-U-N-S番号を取る。D-U-N-S番号は事業者ごとに振られる世界共通の番号で、Googleはこれで組織の実在を確かめます。日本では東京商工リサーチが窓口で、無料で申請できます。無料の場合は発行まで30営業日ほどかかり、有料の急ぎ(約15,000円)なら1週間ほどです。登録する名前と住所は、屋号とバーチャルオフィスの住所にします。
  4. 発行後、数日〜1週間待つ。番号が発行されても、Googleが照会するD&Bのデータベースに反映されるまで時間がかかります。発行メールが来てすぐ申請すると、「番号が見つからない」で差し戻されることがあります。
  5. Play Consoleで組織アカウントへの変更を申請する。屋号、D-U-N-S番号、事業所の住所、事業用の連絡先を入力します。独自ドメインのメールアドレスと、事業内容が分かるWebサイトがあると確認がスムーズです。筆者はtoriumis.comとinfo@toriumis.comを用意しました。

これが通ると、ストアに出るのは屋号とバーチャルオフィスの住所になり、組織アカウントなので12人テストの要件もかかりません。同じD-U-N-S番号はApple DeveloperやChromeウェブストアの組織登録にも使えるので、手間は一度で済みます。

筆者の費用

自宅の住所をストアに出さずに済むことと、アプリのたびに12人を集めなくて済むことを考えると、十分に安い投資でした。

05注意しておきたいこと

06よくある質問

Google Playの登録料は毎年かかりますか?
かかりません。25米ドルを一度払えば、そのアカウントでずっとアプリを出せます。毎年99米ドルかかるAppleとの大きな違いです。
無料アプリで広告だけなら、住所は出ませんか?
Googleの基準は「Google Playで収益化しているか」です。有料アプリやアプリ内課金を使うと表示の対象になります。広告だけの場合の扱いは変わることがあるので、Play Consoleの「デベロッパーページ」の表示で確認してください。
会社を作らないと組織アカウントにできませんか?
作らなくてもできます。個人事業主として開業届を出し、屋号でD-U-N-S番号を取れば申請できます。筆者も法人ではなく個人事業主です。
もう個人アカウントでアプリを出しています。移せますか?
Play Consoleからアカウントの種類を組織に変更する申請ができます。アプリはそのまま引き継がれます。新しいアカウントを作ってアプリを移す方法もありますが、評価やダウンロード数は移らないので、変更申請のほうが楽です。

07出典

  1. Play Console ヘルプ「Google Play Console に登録する」— 登録料25米ドル(一度きり)。2026-09確認。
  2. Play Console ヘルプ「新しい個人デベロッパー アカウントのテスト要件」— 12人以上・14日間連続のクローズドテスト(2024年12月に20人から変更)。2026-09確認。
  3. Play Console ヘルプ「Google Play でのデベロッパー情報の表示」— 収益化しているデベロッパーの氏名・住所の表示。2026-09確認。
  4. Play Console ヘルプ「D-U-N-S 番号の要件」、東京商工リサーチ「D-U-N-S Number の取得」。2026-09確認。
  5. Apple Developer Program — 年会費99米ドル。2026-09確認。
  6. 筆者の手続き記録(2026年8月:バーチャルオフィス契約、e-Taxによる開業届、D-U-N-S申請)。